ノミ
 
 ゴキブリの卵は卵鞘というガマグチのような形をした硬い袋の中にあって孵化するまで保護されています。卵鞘の中には卵が2列に並んでいます。チャバネゴキブリの場合は、孵化する直前まで雌親の尾端に付けていますが、他のゴキブリは24時間以内に産み落とし、しばらく日数を経てから孵化します。幼虫は「不完全変態」または「漸変態」と言う変態を行いますので、成虫になるまで体の形はあまり変わりません。ただし、幼虫には翅はありません。幼虫は脱皮を、チャバネゴキブリで6回、大型のゴキブリでは9回以上行った後成虫になります。したがって成長するまでに期間がかかり、一世代は、チャバネゴキブリでは好条件下でも3〜4ヵ月大型のゴキブリだと1年以上もかかります。
 
   
 
 
 
   
 
 消化器系の病原菌、サルモネラ菌、ブドウ状球菌、腸炎ビブリオ、ボツリヌス菌やO-157などを体につけて運ぶ事や糞から出すことで、感染症を蔓延させます。また、アメーバー赤痢などの中間宿主になるともいわれています。不潔な条件下では特に注意が必要ですが、清潔な条件下でも病原菌というのは増殖しますから油断は禁物です。  
   
 
1.習性を利用した駆除のポイント
(1)種類によって習性が違いますから、ゴキブリの種類を調べます。住んでいるのはチャバネゴキブリか、大型の種類か、どこにいるのか、密度はどの位かを調べます。
(2)夜行性で暗い所を好みますから、表面より暗い裏面や隅が駆除のポイントとなります。
(3)空気の流れの少ない所を好みますから、風通しが悪い隙間や割れ目、屋外では家の廻りに置かれた薪や木切れやダンボールの下等、屋内では何かの物の下、調理台の裏、壁の中等がポイントとなります。
(4)水分のある所に集まる習性がありますから、厨房、風呂場、洗面所、トイレ等、大型のゴキブリの場合は、床下、下水溝、マンホールの蓋の裏、庭の植木鉢の下や落ち葉の下等、水に関係した場所がポイントとなります。
(5)暖かい所に集まる習性がありますから、家の中では台所のレンジの回り、冷蔵庫の裏、風呂場の廻り、暖房機、テレビ、配電盤、コンセント等がポイントとなります。

2.使用する薬剤の選択
(1)待ち伏せ処理
ゴキブリは、昼間外に出て来たものだけを駆除しても、隠れている方が多いので効果は上がりません。したがって夜間しきりに歩き回る習性を利用して、待ち伏せ処理を行います。薬剤は忌避性の少ない有機リン系殺虫剤を用います。ピレスロイド系の薬剤は通常忌避性があるので、待ち伏せ処理用には向きません。
(2)追い出し処理
待ち伏せ処理をした後、より効果を上げるため補助手段として隠れているゴキブリをとび出させる処理を行います。これにはフラッシング効果(とび出し効果)のあるピレスロイド系の殺虫剤を用います。
(3) ULV処理や燻煙処理
この場合、気をつけなければいけないことは、隙間や割れ目などに薬剤が到達しないことがあり、駆除効果が得られない場合がありますので、部屋の密閉度を上げると共に待ち伏せ処理との併用が好ましいといえます。
(4)全面処理
ゴキブリの生息が大きく拡がっている時に行います。見えている所以外に、隙間や割れ目、天井裏、床裏、壁の内部にも残効性のある薬剤を処理します。
 
 
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