屋内塵性ダニ
 
 卵、幼虫、第1若虫、第2若虫、成虫の順序で、約2週間で発育します。吸血は第1若虫と成虫が行います。充分吸血した雌の成虫は寄主のネズミから離れて、ネズミの巣の中に産卵をします。雌は60日位生きていて、その間に約100個の卵を産みます。卵は1〜2日で孵化し、幼虫となり、吸血はしないで、1日後に脱皮して第1若虫となります。第1若虫は吸血をして脱皮して第2若虫となり、吸血なしで脱皮し、成虫になります。成虫になったダニは、1〜2日で交尾します。吸血する時以外はネズミから離れて巣の中にいます。人やネズミの出す炭酸ガスを感知して行動しています。初夏から秋にかけて大発生し、ネズミに付いてあちこちに移動もしますが、宿主のネズミが死んだ時や、巣を捨ててよそへ行ってしまった時なども巣から這い出して来て家中に散らばり被害を与えます。
   
 
 発疹熱などのリケッチア、ペスト、再帰熱の病原体を伝播することや、コットンラット糸状虫の中間宿主となりますが、最大の被害はやはり刺咬症とその痒さでしょう。  
   
 
 イエダニはネズミ寄生性のダニですから、ネズミを居なくするのが先決ですがネズミを退治すると、巣にいたイエダニは吸血源を失うので、這い出して来て被害を及ぼします。したがって、ネズミを退治すると同時にイエダニの駆除も必要です。イエダニは普通の防疫用殺虫剤なら何でも良く効きますから、まずネズミの巣の回りに油剤を噴霧してから巣を取り除き、ネズミの通り道にも薬剤処理を行います。もうすでにダニが分散してしまった場合は煙霧処理を行いますが、処理後の部屋の密閉時間を長くする必要があります。
 
 
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